WCAG 2.2 リスト
Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.2とは、高齢者や障害のある人々を含む、誰もがウェブコンテンツをより利用しやすくするための一連の広範な推奨事項をまとめたものです。
Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.2を読みやすくするために、シンプルにまとめています。
凡例
- 原則 (Principle): アクセシビリティの基盤となる4つの主要な考え方。
- ガイドライン (Guideline): 作成者が従うべき、より広範な目標。
- 達成基準 (Success Criteria): ガイドラインへの準拠を評価するための、検証可能な具体的な基準。
準拠レベル
- レベルA: 最も基本的なウェブアクセシビリティの要件。(最低限の準拠)
- レベルAA: より多くの状況や人々に対応するための要件。(中程度の準拠)
- レベルAAA: 最も高度なウェブアクセシビリティの要件。(最高度の準拠)
原則:1. 知覚可能 (Perceivable)
情報およびユーザーインターフェースのコンポーネントは、利用者が知覚できる方法で提示されなければならない。
ガイドライン:1.1 代替テキスト (Text Alternatives)
すべての非テキストコンテンツに、それと等価な目的を果たすテキストによる代替を提供すること。例えば、平文、大きな活字、点字、音声、シンボル、平易な言語など、利用者のニーズに合わせた形式に変換できるようにする。
ID | 達成基準 | レベル | 説明 |
---|---|---|---|
1.1.1 | 非テキストコンテンツ | A | すべての非テキストコンテンツに代替テキストを提供する。詳細 |
ガイドライン:1.2 時間依存メディア (Time-based Media)
時間依存メディアには代替コンテンツを提供すること。
ID | 達成基準 | レベル | 説明 |
---|---|---|---|
1.2.1 | 音声のみ及び映像のみ(収録済み) | A | 音声のみ・映像のみのコンテンツに代替コンテンツを提供する。詳細 |
1.2.2 | キャプション(収録済み) | A | 収録済み音声コンテンツにキャプションを提供する。詳細 |
1.2.3 | 音声解説又はメディアに対する代替コンテンツ(収録済み) | A | 収録済み映像コンテンツに音声解説または代替コンテンツを提供する。詳細 |
1.2.4 | キャプション(ライブ) | AA | ライブ音声コンテンツにキャプションを提供する。詳細 |
1.2.5 | 音声解説(収録済み) | AA | 収録済み映像コンテンツに音声解説を提供する。詳細 |
1.2.6 | 手話(収録済み) | AAA | 収録済み音声コンテンツに手話通訳を提供する。詳細 |
1.2.7 | 拡張音声解説(収録済み) | AAA | 通常の音声解説では不十分な場合に拡張音声解説を提供する。詳細 |
1.2.8 | メディアに対する代替コンテンツ(収録済み) | AAA | すべての収録済み同期したメディアに代替コンテンツを提供する。詳細 |
1.2.9 | 音声のみ(ライブ) | AAA | ライブ音声のみのコンテンツに代替コンテンツを提供する。詳細 |
ガイドライン:1.3 適応可能 (Adaptable)
情報、および構造を損なうことなく、様々な方法(例えば、よりシンプルなレイアウト)で提供できるようにコンテンツを制作すること。
ガイドライン:1.4 判別可能 (Distinguishable)
コンテンツを、利用者にとって見やすく、聞きやすいものにすること。これには、前景と背景の分離も含まれる。
ID | 達成基準 | レベル | 説明 |
---|---|---|---|
1.4.1 | 色の使用 | A | 情報を伝達するために色だけを使用しない。詳細 |
1.4.2 | 音声の制御 | A | 自動再生される音声を制御できるようにする。詳細 |
1.4.3 | コントラスト(最低限レベル) | AA | テキストと背景の間に十分なコントラストを確保する。詳細 |
1.4.4 | テキストのサイズ変更 | AA | テキストを200%まで拡大できるようにする。詳細 |
1.4.5 | 文字画像 | AA | 可能な限りテキストを使用し、文字画像を避ける。詳細 |
1.4.6 | コントラスト(高度レベル) | AAA | より高いコントラスト比を提供する。詳細 |
1.4.7 | 小さな背景音又は背景音なし | AAA | 音声コンテンツの背景音を最小限に抑える。詳細 |
1.4.8 | 視覚的提示 | AAA | テキストブロックの視覚的提示を制御できるようにする。詳細 |
1.4.9 | 文字画像(例外なし) | AAA | 装飾を除き、文字画像を使用しない。詳細 |
1.4.10 | リフロー | AA | 2次元スクロールを必要とせずにコンテンツを提示する。詳細 |
1.4.11 | 非テキストのコントラスト | AA | ユーザーインターフェースコンポーネントと図形オブジェクトに十分なコントラストを確保する。詳細 |
1.4.12 | テキストの間隔 | AA | テキストの間隔を調整してもコンテンツや機能が失われないようにする。詳細 |
1.4.13 | ホバー又はフォーカスで表示されるコンテンツ | AA | ホバーやフォーカスで表示されるコンテンツを適切に制御する。詳細 |
原則:2. 操作可能 (Operable)
ユーザーインターフェースのコンポーネントおよびナビゲーションは、利用者が操作できなければなら ない。
ガイドライン:2.1 キーボードアクセシブル (Keyboard Accessible)
すべての機能をキーボードから利用できるようにすること。
ガイドライン:2.2 十分な時間 (Enough Time)
利用者がコンテンツを読み、使用するのに十分な時間を提供すること。
ガイドライン:2.3 発作と身体反応 (Seizures and Physical Reactions)
発作や身体的反応を引き起こす恐れのあるコンテンツを設計しないこと。
ガイドライン:2.4 ナビゲーション可能 (Navigable)
利用者がナビゲートしたり、コンテンツを探し出したり、現在位置を確認したりすることを手助けする手段を提供すること。
ID | 達成基準 | レベル | 説明 |
---|---|---|---|
2.4.1 | ブロックスキップ | A | 繰り返されるコンテンツブロックをスキップできるようにする。詳細 |
2.4.2 | ページタイトル | A | ページにタイトルを付ける。詳細 |
2.4.3 | フォーカス順序 | A | 論理的なフォーカス順序を提供する。詳細 |
2.4.4 | リン クの目的(コンテキスト内) | A | リンクの目的をコンテキストから判断できるようにする。詳細 |
2.4.5 | 複数の手段 | AA | ウェブページを見つけるための複数の手段を提供する。詳細 |
2.4.6 | 見出し及びラベル | AA | 見出しとラベルでトピックや目的を説明する。詳細 |
2.4.7 | フォーカスの可視化 | AA | キーボードフォーカスインジケーターを可視化する。詳細 |
2.4.8 | 現在位置 | AAA | ウェブサイト内での現在位置に関する情報を提供する。詳細 |
2.4.9 | リンクの目的(リンクのみ) | AAA | リンクテキストのみでリンクの目的を判断できるよ うにする。詳細 |
2.4.10 | セクション見出し | AAA | セクション見出しを使用してコンテンツを整理する。詳細 |
2.4.11 | フォーカスが隠されない(最低限) | AA | キーボードフォーカスを受け取った項目が、作成者が作成したコンテンツによって完全に隠されないようにする。詳細 |
2.4.12 | フォーカスが隠されない(高度) | AAA | キーボードフォーカスを受け取った項目が、作成者が作成したコンテンツによって隠されないようにする。詳細 |
2.4.13 | フォーカスの外観 | AAA | キーボードフォーカスインジケーターの外観に関する要件を満たす。詳細 |
ガイドライン:2.5 入力モダリティ (Input Modalities)
利用者がキーボード以外の様々な入力方法で機能を操作しやすくすること。
ID | 達成基準 | レベル | 説明 |
---|---|---|---|
2.5.1 | ポインタのジェスチャー | A | マルチポイントや軌跡ベースのジェスチャーに代替手段を提供する。詳細 |
2.5.2 | ポインタのキャンセル | A | ポインタ入力をキャンセルできるようにする。詳細 |
2.5.3 | ラベルを含む名前 | A | 視覚的なラベルテキストをアクセシブルな名前に含める。詳細 |
2.5.4 | 動きによる起動 | A | デバイスの動きや利用者の動きで起動する機能に代替手段を提供する。詳細 |
2.5.5 | ターゲットサイズ | AAA | ポインタ入力のターゲットを十分な大きさにする。詳細 |
2.5.6 | 入力メカニズムの並行使用 | AAA | 複数の入力メカニズムを並行して使用できるようにする。詳細 |
2.5.7 | ドラッグ動作 | AA | ドラッグ動作に代替手段を提供する。詳細 |
2.5.8 | ターゲットサイズ(最低限) | AA | ポインタ入力のターゲットを最低限の大きさにする。詳細 |
原則:3. 理解可能 (Understandable)
情報およびユーザーインターフェースの操作は、利用者が理解できなければならない。
ガイドライン:3.1 読みやすさ (Readable)
テキストコンテンツを読みやすく、理解しやすくすること。
ガイドライン:3.2 予測可能 (Predictable)
ウェブページの表示や挙動を予測可能にすること。
ガイドライン:3.3 入力支援 (Input Assistance)
利用者が間違いを犯すことを防ぎ、間違いを修正する手助けをすること。
ID | 達成基準 | レベル | 説明 |
---|---|---|---|
3.3.1 | エラーの特定 | A | 入力エラーを自動的に検出し、エラーの箇所と内容を特定する。詳細 |
3.3.2 | ラベル又は説明 | A | 入力が求められる場合にラベルまたは説明を提供する。詳細 |
3.3.3 | エラー修正の提案 | AA | 入力エラーが自動的に検出され修正方法が分かる場合、修正方法を提案する。詳細 |
3.3.4 | エラー回避(法的、金融及びデータ) | AA | 重要な取引では、送信を取り消す、データをチェックする、または確認するメカニズムを提供する。詳細 |
3.3.5 | ヘルプ | AAA | 状況に応じたヘルプを提供する。詳細 |
3.3.6 | エラー回避(全て) | AAA | すべての情報送信において、送信を取り消す、データをチェックする、または確認するメカニズムを提供する。詳細 |
3.3.7 | 冗長な入力 | A | 同じプロセス内で以前に入力された情報の再入力を要求しない。詳細 |
3.3.8 | アクセシブルな認証(最低限) | AA | 認証プロセスで記憶や複雑な操作を要求しない。詳細 |
3.3.9 | アクセシブルな認証(高度) | AAA | 認証プロセスで認知機能テストを要求しない。詳細 |
原則:4. 堅牢 (Robust)
コンテンツは、支援技術を含む様々なユーザーエージェントが確実に解釈できるよう十分に堅牢でなければならない。
ガイドライン:4.1 互換性 (Compatible)
現在および将来の、支援技術を含むユーザエージェントとの互換性を最大化すること。