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新規プロダクトの価値検証ガイド

新規サービスの成功確度を高めるためには、開発者の思い込みではなく、ユーザーの実際の反応に基づいて仮説検証を繰り返すことが不可欠です。

ここでは、サービスがユーザーにとって真に価値あるものかを測定するための3つの検証観点を定義します。各観点は独立して評価することができ、サービスの成熟度に応じて段階的に実施することが可能です。

課題解決の検証 (Problem/Solution Fit)

提供する機能(ソリューション)が、ターゲットユーザーの抱える本質的な課題を的確に解決できるかを検証します。プロダクトが市場に受け入れられるための基礎的な要件です。

検証観点

その機能が本当にユーザーの課題を解決できるかどうか。

検証手法・指標

手法測定内容・指標
ユーザーインタビュー
  • 課題の深刻度、頻度、既存の代替策についてヒアリング
  • 提案するソリューションに対する共感度、課題解決への期待感
プロトタイプテスト
  • タスク完了率: ユーザーがプロトタイプを使って課題を解決できた割合

  • 思考発話法: タスク遂行中のユーザーの発話から、つまずきや課題解決のプロセスを質的に評価

アンケート調査
  • 課題解決度に関する量的評価(例:「この機能はあなたの課題解決にどの程度役立ちますか?」を5段階評価)


利用意欲の検証 (Desirability)

課題を解決できるだけでなく、ユーザーが「使ってみたい」「面白そう」と感じるような魅力や感情的な価値を提供できているかを検証します。機能的な価値だけでは、ユーザーに行動を促すことは困難です。

検証観点

それが「使ってみたい」と思わせるものになっているか。これは「愛らしさ」や「魅力」のような感情的な部分も含む。

検証手法・指標

手法測定内容・指標
5秒テスト
  • ファーストビューを5秒間見せ、サービスが何であるか、どのような印象を持ったかをヒアリング

  • サービスの価値や魅力が直感的に伝わっているかを確認
A/Bテスト
  • ランディングページ(LP)や広告クリエイティブのデザイン、キャッチコピーを複数パターン用意し、 コンバージョン率(CVR) (事前登録率など)が最も高いものを特定

デザイン評価
  • UI、世界観、トーン&マナーに対するユーザーの感情的な反応(好き、楽しい、信頼できるなど)をインタビューで収集

SNS/口コミ分析
  • サービス名や関連キーワードに対するポジティブな言及の数や内容を分析


利用継続性の検証 (Engagement & Retention)

一度きりの利用で終わらず、ユーザーがサービスを継続的に利用し、最終的には生活の一部として習慣化されるかを検証します。サービスの長期的な成長と収益化に直結する重要な観点です。

検証観点

一度だけでなく継続して使いたくなるような体験を提供できているか。利用継続性や習慣化という観点。

検証手法・指標

手法測定内容・指標
リテンション分析
  • リテンション率: 初回利用からN日後(1日後, 7日後, 30日後など)に再利用しているユーザーの割合

  • コーホート分析: 利用開始時期が同じユーザー群の定着率を時系列で追跡し、改善施策の効果を測定

エンゲージメント分析
  • DAU/MAU比率: 全アクティブユーザーのうち、日常的に利用しているユーザーの割合。サービスの「粘着性」を示す。

  • セッション頻度・時間: ユーザーがどれくらいの頻度で、どれくらいの時間サービスを利用しているか

  • 主要アクションの実行率: サービスの中核となる価値提供機能が、アクティブユーザーにどれだけ利用されているか

フック・モデル分析
  • トリガー: ユーザーに再利用を促すきっかけ(プッシュ通知、メール等)が効果的に機能しているか

  • 投資: ユーザーが時間やデータをサービスに蓄積することで、離れにくくなる仕組み(プロフィール入力、コンテンツ投稿、フォロー等)が機能しているか